月刊・教室だより

名物先生によるリレー連載(毎月20日更新)

【連載第215回】

春の贈り物

 桜の季節は何か華やいでいます。このころ私が受け取ってうれしいのは巣立っていった塾生からのお礼の言葉です。ここでそのいくつかを紹介したいと思います。
 最初は都立高校に入学した女子学生と母親です。講義の間の休み時間に訪ねてこられ満面の笑みで合格の報告をしてくれました。私は理科の担当でしたが理科の得点が一番良かったと喜んでいました。授業を受け始めたのは夏期講習からと、遅めのスタートでしたが乾いたスポンジのように知識や技能を身につけ過去問講習においても安定した得点力を獲得していました。私は笑顔で見守りながらああよかったと感じ入っていました。今年から弟さんが入塾したとのご報告であの生徒かと思い当たりました。こちらも身の引き締まる思いをしました。
 第二の合格報告は事務の方から伝言で聞きました。夏期講習に参加していた高3の生徒です。かなり優秀な生徒で90分の授業を8回ほど受けていました。一人では理解しにくい数3の分野を議論しながら解き進めていきました。勘の良い人でヒントから解法の筋道を見通すのが得意でした。夜の最終授業だったのですがいつも充実していました。あれから半年たったこの春に早稲田大学合格の知らせとともに私によろしくとの伝言がありました。
 最後のお知らせは小さな封筒に入った手紙でした。中3の生徒からのもので温かい指導を受けたことに感謝していました。あまり目立たない生徒でしたが人一倍真摯に授業に参加していました。一部を要約すると重要なポイントをわかりやすく教えてくれたこと、解くコツをつかめるようになったことの後に高校生活を頑張るとの決意が述べられていました。
 3月季節の変わり目と同時に人生の変わり目でもあります。これらの報告を力に次の一年を生徒の学力向上に尽くしていこうと思いを新たにしました

 

藤田先生