月刊・教室だより
名物先生によるリレー連載(毎月20日更新)
【連載第216回】
ディオファントスの生涯と72
3世紀頃のエジプトにディオファントスという数学者がいました。彼は方程式などの研究をしていた数学者で様々な功績を残しており、俗に「代数学の父」と言われています。そんな彼の墓碑には数学の問題のようなものが書かれています。中学1年生で学習する1次方程式を利用すれば解けるもので、問題集などにも載っていることがあります。小学生でも線分図を利用すれば解けるので、ぜひ挑戦してみて下さい。墓碑に書かれているのは次のような文章です。
「ディオファントスは一生の1/6を少年として、さらに一生の1/12を青年として過ごした。その後一生の1/7を過ぎて結婚し、5年後に息子ができた。その子は父の半分しか生きられず、ディオファントスより4年早く亡くなった」
この文章からディオファントスは何歳まで生きたでしょうか?というのが問題です。以下に解法を示しておきます。
【解法】ディオファントスはx歳まで生きたとします。すると少年としては1/6x年、青年としては1/12x年、その後結婚するまでが1/7x年と表せます。これらの和に5をたすと息子ができるまでの年齢になります。この後は息子の年齢に注目すると1/2x年後に息子が亡くなり、さらにその4年後にディオファントスが亡くなるので、これらの総和がディオファントスの年齢と一致します。つまり方程式は
1/6x+1/12x+1/7x+5+1/2x+4=x
となります。この方程式を解くとx=84と求まり、84歳まで生きたということが分かります。自分のお墓に問題を書くなんて、よほど数学が好きだったんでしょうね。
では、この問題と類似の問題を作ってみました。みなさんチャレンジしてみて下さい。
「Aさんは一生の1/6を少年として、さらに一生の1/9を青年として過ごした。その後一生の1/18を過ぎて結婚し、8年後に息子が生まれた。その息子はAさんの一生の半分の年齢で結婚し、その4年後にAさんは亡くなった。」
さて、Aさんは何歳まで生きたでしょうか?答えはこのコラムのどこかにあります。
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